特養で働く看護師の給与事情

Tweet

Pocket

老人ホーム全体

まず、老人ホーム全体の看護師の平均給与は31万円です。これに賞与を加えると、平均年収は456万円となります。なお、非常勤の看護師の場合は平均給与が21.6万円、年収が301万円です。看護師全体の平均年収と比較すると40万円ほど低いので、病院勤務よりも収入が減ることを覚悟しておきましょう。年代別で見ても、各年代で5万円以上の差があります。事実、老人ホームで働く看護師からは給与に関する不満の声が多く聞かれます。
このように、病院勤務よりも収入は減ることになりますが、それでも近年は給与が上昇傾向にあります。過去3年間で年収は8万4,360円上がっており、非常勤の時給も上がっています。少しずつではありますが、待遇は改善しているようです。

特養の場合

では、特養の給与事情を見てみましょう。特養には比較的介護度の高い高齢者が入居します。そのため、他の介護施設よりも看護師の役割は重要で、業務も多岐に渡ります。その影響なのか、特養で働く看護師の平均年収は507万円と、老人ホーム全体の平均年収より高くなっています。なお、特養には看護師の常駐が義務付けられていないため、夜勤がないケースも多いです。夜勤手当がないこともありますが、その場合はオンコール制を導入しているため、オンコール手当が支給されます。

給与を上げたいなら

特養は介護施設の中では給与が高い傾向にありますが、より多くの給与を得たいのであれば、介護職員処遇改善加算（Ⅰ）を取得している施設で働きましょう。これは、職員がキャリアアップするための仕組みがある施設や、積極的に職場改善に取り組んでいる施設に与えられる加算です。介護職員処遇改善加算の中で最もグレードの高い加算で、職員への還元率が高く給与に反映されます。
また、転職の際は必ず複数の施設を比較検討してください。比較することで各施設のメリット・デメリットが見えてくるはずです。一見給与が高い施設でも、各手当がすべて含まれた金額で示されている可能性もあります。各手当が別途追加と示されている施設の方が手取りは多くなることもあるので、じっくり検討しましょう。
加えて、研修に参加するなどして、業務の幅を広げておくことをおすすめします。対応可能な業務の幅が広ければ、より好待遇で働ける可能性が高くなります。例えば、厚生労働省が指定した施設で実施される「特定行為に係る研修」を修了すれば、一部の医療処置を看護師が行えるようになります。